睡眠障害の種類と治療法

睡眠障害の種類と治療法

眠れないのは病気かも!?睡眠障害セルフチェック

「なかなか寝つけない」
「寝ている途中で目が覚めてしまい、そのあと眠れなくなる」
「朝、すっきりと起きられない」
「いくら寝ても疲れがとれない」
「昼間に猛烈な眠気に襲われる」
など、睡眠にかかわる悩みを抱えている人は決して少なくありません。
これらの睡眠に関する何らかの病態を総称して「睡眠障害」といいます。
睡眠障害のなかで最も多いのが「不眠症」ですが、その割合は成人の5人に1人にも上るといわれています。そのほかにも、「睡眠時無呼吸症候群」「むずむず脚症候群」「概日リズム睡眠障害」「過眠症」「睡眠時随
伴症」など、睡眠障害の病態は多様です。

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まず次ページの睡眠障害のセルフチェックであなたの睡眠障害の程度を調べてみましょう。

睡眠障害セルフチェック

睡眠障害セルフチェック

4人に1人が当てはまる!多様な睡眠障害の病態

■不眠症
日本人の成人の5人に1人が何らかの「不眠症」
不眠症とは、ストレスや心配事、加齢、痛みや痒みなどの身体疾患が原因となって満足できる睡眠がとれ
ず、昼間、疲労感や倦怠感、集中力の低下などを招き、日常生活に支障を来す状態をいいます。

不眠症の4つのタイプ
①入眠障害
布団に入ってもなかなか寝つけない(一般的に30分以上)状態で、ストレスや心配事などが原因で起きや
すくなります。睡眠障害で最も訴えの多いタイプです。
②中途覚醒
就寝中に何度も目が覚めてしまいます。目が覚めてしまうと寝つけなくなることがあり、眠りを続けてとりにくい高齢者に多くみられます。
③熟眠障害
十分に睡眠時間をとっていても熟睡した気がせず、心身の疲労が回復できないタイプです。
④早朝覚醒
起きる予定の時刻より早く目か覚めてしまい、まだ眠りたいのに寝つけなくなってしまいます。

ストレスが関与する入眠障害
これら4つのタイプのなかで、最も多く、ストレスが強く関係しているのが入眠障害だといわれています。
昼間、会社で嫌な出来淑があって、夜、布団に入ってもなかなか寝つけない、子どもが病気になり、そのことが心配でいつまでたっても眠気か訪れないなどといった経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。
寝つけない原因が解消したり、寝つけないことをあまり気にしなければ、多くの場合は.過性の入眠障害ですみ、またいつものように眠れるようになります。
ところが、一度寝つけないことがあると、「今夜もまたなかなか寝つけないのではないか」とか「このまま寝つけない夜が続くと、仕事に支障を来してしまうので、今夜は何とか9.く寝ないと」などと、眠ることばかり気にしすぎると、眠れないことがストレスになってしまいます。
こうなると、ますます目が冴えてきたり、寝つきがいっそう悪くなるという悪循環に陥って、慢性的な入眠障害を招き、重症化することも少なくありません。

規則正しい生活を心がけて体内時計のリズムを整える
こうした入眠障害を解消するには、まず規則正しい生活を心がけて体内時計のリズムを整えることです。
体内時計は、私たちの1日の生活のリズムをコントロールしています。
大服障害か慢性化すると体内時計のリズムか乱れ、大服障害をより一層悪化させることになります。
1日は24時間ですが、体内時計はそれより少し長い周期で1日のサイクルを刻んでいます。この差は、朝
日を浴びることで修正されます。
夜、なかなか寝つけないからといって、その分、朝起きる時刻を後ろにずらして朝日を浴びる機会を失うと、体内時計をリセットすることかできません。
ですから、少し睡眠不足ぎみでも、朝は決まった時間に起きて朝日を浴びるようにしましょう。
また、規則正しい食事をとることも大切です。

体内時計は脳の視床下部というところにありますか、胃にもその機能は備わっているといわれていて、規
則正しく食事をとることで、体内時計か正常に働くと考えられています。

寝る前にいったん深部体温を上げる
普段、私たちが体温といっているのは、体の表面の温度です。
体温にはもう一つあって、体の中心部の深部体温かそれです。
脳の温度(脳温)は、深部体温の1つです。脳温がすみやかに下がると、スムーズに眠りに入りやすくなるといわれています。
深部体温の下がるスピードを速くするコツは、一度深部体温を上げておくことです。
そのために、寝る1〜2時間前までに運動をしたり、入浴をして深部体温をいったん上げるといいでしょう。

また、ぬるめの湯(夏は38℃、冬は40℃が目安)にゆっくりとつかる半身浴をすると末梢血管がひらいて、そのあと深部体温が下がりやすくなります。
なかなか眠れないストレスが原因となって人脈障害が慢性化する人は、早く脈らなくてはという気持ちから、脈くないのに布団に入ってしまうことが多いといわれます。眠くないのに横になってもすぐに眠ることができず、さらにそのことがストレスになってしまいます。
そこで、ストレッチや軽い運動、ぬるめの湯に入ることで眠る態勢を整え、焦らずに眠気が訪れてから布団に入るようにすれば、自然に眠りに落ちることができるはずです。

リラックスする

リラックスすると気持ちの緊張だけでなく、体の緊張も緩み、眠りによって疲れが回復しやすくなります
から、自分なりのリラックス法を身につけましょう。
ただ、アルコールは催眠効果がある一方で、睡眠を浅くしてしまい、トイレに行くなどで中途覚醒を招き
やすいので、眠るために就寝直前にアルコールを飲むのは避けてください。
睡眠薬を服用する。
生活習慣を見直して、改善をしても不眠症が解消できないときには、睡眠薬使用を含めた治療を受けます。
睡眠薬は、医師の指示に従って正しく服用すれば、安全性が高いものです。副作用についても医師に相談して知識をもっておくことが、安心して服用するために大切です。

睡眠時無呼吸症候群

いびきをかくのはナゼ?
睡眠中は、筋肉が弛緩するため、筋肉の塊である舌の根元(舌根)が落ちぎみになり、空気の通り道である気道の上部(上気道)が狭くなります。通常は、少し上気道が狭くなっても空気が通るのに支障はありません。
しかし、肥満があると、のどの周囲にも脂肪が付着して気道がさらに狭くなり、空気が無理をして通るときに摩擦が生じていびきになることがあります。
健康な人でも、アルコールを飲みすぎると、いつもより筋肉が弛緩したり、気道が腫れたりして空気の通り道が狭くなって、いびきをかきやすくなります。それ以外にも、あごか小さい、扁桃肥大などで気道が狭くなっていると、いびきの原因となります。
また、あお向けに寝ると、筋肉の弛緩に加えて、重力によって舌根がいっそう気道のほうに落ち込みますので、いびきをかきやすい人は、横を向いて寝るようにしましょう。
枕の高さもいびきの原因になります。枕が高すぎると気道が曲がってしまうため狭くなります。逆に、低すぎても舌根が気道に落ち込みやすいので、いびきをかきやすくなります。楽に呼吸ができる高さの枕を選ぶようにしましょう。

放置すると命にかかわることも
体調によってたまにかくいびきは、命にかかわることはありません。
しかし、睡眠中に大きないびきをかいたあとで一時的に呼吸が止まり、再び大いびきとともに呼吸を始める状態を、一晩のうちに何回も繰り返す睡眠時無呼吸症候群は、高血圧や脳卒中、狭心症、心筋梗塞などの命にかかわる重大な病気の原因になる、とても危険な状態といえます。
40〜60歳代の男性に多く、女性には少ないのですが、女性でも更年期を過ぎると増える傾向にあります。

睡眠時無呼吸症候群には、気道が塞がれてしまう閉塞性と呼吸中枢の異常による中枢性の2つのタイプがあります。圧倒的に多いのは閉塞性です。 閉塞性睡眠時無呼吸症候群の最大のリスクは肥満ですか、アジア人では顔の骨格、特に下あごが小さいと太っていなくても罹患します。 閉塞性では、睡眠中に口蓋垂(のどちんこ)や舌根が落ち込み、気道が塞がってしまい、一時的に呼吸が止まる状態になります。 無呼吸の状態が、10秒間以上続き、1時間の睡眠中に5回以上あって、日中の過度の眠気などの症状を伴う場合や、症状の有無にかかわらず、1時間の間に15回以上無呼吸状態がある場合に睡眠時無呼吸症候群と診断されます。 呼吸停止か続くと、血液中の酸素が不足し、努力して呼吸する必要が生じるために脳がいったん目覚める必要か生じてしまいます。 そのため、眠りが浅くなるばかりでなく、夜中に何度も起きる場合も多いです。 朝起きたときに熟睡感がなく、のどか痛かったり、頭痛がしたりします。 また日中に眠気をもよおして集中力が低下し、仕事でミスをしたり、居眠り運転をして交通事故の原因になることもあります。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群

閉塞性睡眠時無呼吸症候群

肥満しやすい生活習慣を改善する 睡眠時無呼吸症候群が疑われるときには、なるべく早く睡眠にかかわる病気を専門的に扱う睡眠診療科(最近は睡眠センター型の診療施設が増えました)や総合病院の呼吸器内科、耳鼻咽喉科などを受診してください。 日本睡眠学会のホームページに睡眠医療認定機関の一覧がありますので参考にしてください。 検査では簡易モニターや終夜睡眠ポリグラフ検査などか行われます。 CPAP(持続陽圧呼吸)やマウスピースなど、患者さんの症状・重症度に合った適切な治療が行われます。 CPAPでは、睡眠中に鼻に専用のマスクを装着し、吸気と呼気が大気圧より少し高い回路の中で行えるようになっていて、吸気に伴って胸腔内が暗証になっても大気圧で気道がつぶれることか避けられます。 マウスピースは、寝ている間に舌根が落ち込んで気道が閉塞しないように下あごを上あごに固定する装置です。 睡眠時無呼吸症候群の重症化の最大の原因は肥満ですから、食べすぎや飲みすぎ、不規則な食生活を見直し、ウォーキングなどの手軽にできる有酸素運動を生活のなかに取り入れて減量することを心かけてください。

むずむず脚症候群

じっとしているときに脚にむずむず感が生じる
むずむず脚症候群とは、脚にむずむず感などの不快な症状が起き、脚を動かさずにはいられなくなる病気です。
日本では、週3回以上症状が生じる重症例の患者数が200万〜400万人(有病率男性2〜5%女性8〜12%週3回以上は1・3《0・8〜1・9》%)と推定されています。加齢とともに増加し、男性よりも女性に多い傾向があります。
代表的な症状は脚のむずむず感ですが、人によって
「熱い」
「虫が這う」
「痛い」
「電流が流れる」
など、さまざまな感じ方をします。
また、安静にしているときに悪化する、昼間よりも夕方から夜に症状が現れるという特徴があります。そのため夜中に歩き回ったり脚をたたいたり、入浴したりして対処する人が多いようです。
不眠症の原因となるほか、夜間、睡眠中に症状が現れて目覚めてしまい、そのあと再入眠できなくなってしまう重症な人もいます。すると、日中、強い眠気に襲われ、日常生活に支障を来すことがあります。
ドパミンの機能障害、鉄不足などで発症する原因はまだ解明されていませんか、次のようなことが関係していると考えられています。

体の動きに関係するドパミンという脳内の神経伝達物質の機能が障害されると起きやすくなります。特にドパミンの働きを助ける鉄の不足が関係しています。
また、遺伝性があるので、親がむずむず脚症候群だと子どもにも発症する確率が高くなります。
この病気はまだあまり知られていないために、症状が出ても適切な治療をされないで、不眠か悪化してしまうこともが少なくありません。気になる症状があるときは、早めに睡眠障害の専門医、神経内科や精神科の医師を受診しましょう。
診察では、まず「症状の強さや頻度」「症状が現れる時間帯」などを聞く問診が行われます。
むずむず脚症候群には、夜中に足をびくぴくと動かす症状も非常に多く合併するため、終夜睡眠ポリグラフ検査を行って確認します。必要に応じて鉄不足や、原因となるそのほかの病気の有無などを調べます。

治療の中心はドパミン作動薬などによる薬物療法
納涼は軽症では非薬物療法、障害が一定以上だと薬物療法が中心になります。
ドパミンの機能障害があるときには、パーキンソン病の治療薬であるドパミン作動薬が使われます。
副作用としては胃腸障害などがありますが、ごくわずかな服用量なので重い副作用は起こりにくいと考えられています。
2012年7月に第2の納涼薬としてGABA誘導体が登場しました。
この薬は、ドパミン作動薬が副作用などで使えない場合や効果が不十分な場合の治療薬として期待されています。
特に慢性的な痛みに対する効果も報告されていること、中等度以上の睡眠障害にも効くことが特徴です。
欽欠乏性貧血や妊娠など、血液検査で鉄分(フェリチン)の減少があれば、鉄剤の服用で症状が改善することがあります。 症状の出現頻度か低く軽症の人については、生活習慣を見直すことで改善することもあります。 コーヒーなどに含まれるカフェイン、アルコール、タバコは睡眠の質を低下させるので控えて、規則正しい生活を心がけましょう。 また、熱い冷たいなどの温度による皮膚への刺激で症状が和らぐ人も少なくありません。季節によって温かいお風呂と冷たいシャワーを使い分けてみましょう。 何かに熱中していると、むずむずする不快感に意識が向かわないことで症状が和らぐことがありますから、集中できる趣味などを見つけるのもいいでしょう。 寝る前に軽いストレッチやウォーキングなどで体を動かすと、症状の軽減に効果的といわれています。

概日リズム睡眠障害

体内時計のずれなどが原因に
慨日リズムがかかわって起きる睡眠障害を概日リズム睡眠障害といい、環境因子によるものと、普通に生活していても生じてしまうものとがあります。
いずれも、体内時計によって規定される睡眠が生じやすい時間、覚醒が生じやすい時間と、実際の望ましい睡眠覚醒時間がずれていることで生じます。
環境因子によるものは、交代制勤務や時差ボケなどによって、環境の明暗リズムが変化することで、体内時計と合わなくなった結果として生じる病態をさします。
一方、通常と同じ昼夜のリズムの下で生活しているにもかかわらず、体内時計を反映して1日を周期として変化する体温やホルモン(コルチゾール、メラトニン)分泌のリズム、睡眠覚醒のリズムが、24時間リズムとずれてしまって生じる概日リズム睡眠障害もあります。
このタイプの概日リズム睡眠障害には、
・睡眠相後退症候群
・睡眠相前進症候群
・非24時間睡眠覚醒症候群
などかあります。

睡眠時刻が遅れたり、進んだりする睡眠相後退(前進)症候群
体内時計か遅れた状態が続いて、睡眠時間か遅れるのが睡眠相後退症候群です。
一方、体内時計が24時間より短い状態になって、睡眠時間が進むのが睡眠相前進症候群です。

睡眠相後退症候群になると、深夜遅くや早朝にならないと脹れないことから、朝起きられずに日常生活に支障を来してしまいます。 睡眠不足のために日中に強い眠気をもよおして集中力が低下してしまいますが、夕方になるにつれて目がさえてきて活動的になります。 体内時計のもともとの周期は24時間より長いので、睡眠は後ろにずれやすく、夜更かしが続くことが引き金になって発症します。 睡眠相後退症候群の基本的な治療では、朝の光を浴びることが最も大切です。規則正しい生活や食事、適度な運動などの生活習慣の改善も有効です。 入院治療では、高照度光療法が用いられます。これは毎日1〜2時間程度、高照度光装置から照射される光をときどき見つめながら時間をすごすという特殊な治療法です。だいたい2週間ほどで効果が現れますが、退院後は、朝の光を浴びて再発を防ぎます。 薬物秘法としては、メラトニン受容体作動薬が使われます。 一方、睡眠相前進症候群では、眠りにつく時間が?くなり、とても早い時刻に覚醒します。 非常にまれな睡眠障害ですか、家族性に生じる場合が多いとされます。 加齢が原因の比較的軽度の睡眠相前進症候群は、治療の必要はありません。やはり規則止しい生活を心がけることが大切です。

体内時計の調整がうまくいかなくなる非24時間睡眠覚醒症候群
非24時間睡眠覚醒症候群では、体内時計が24時間周期よりも毎日1時間近く遅れていくことで睡眠時間がずれていき、1カ月ほどで昼夜逆転からもとに戻るような睡眠リズムとなります。
寝つきが悪いことと、目覚めが悪いことが特徴で、通常の社会生活を送っていると、特に午前中の眠気や倦怠感が強く生じます。なお、本人の体内時計に合わせた時間に睡眠をとると、日中の症状は軽減します。

太陽の光による体内時計の調整ができない視覚障害の人に多いとされますが、光同調は視覚と別の経路と考えられており、視覚障害でも体内時計が維持されることかあります。 また、太陽の光を浴びる機会が少なく家に閉じこもりがちな人や、集団参加の機会がない人に発症することもあります。 生活習慣の改善や高照度光絵法、メラトニン受容体作動薬による薬物療法が行われます。

過眠症

寝ているのに日中眠くなる

日中の過剰な眠気を起こすのは、大きくわけて3つの場合があります。最も多いのは夜間睡眠か量的に不足している場合です。 次に多いのは、睡眠時無呼吸症候群や概日リズム睡眠障害などのように夜間睡眠の質が悪くなり、浅い睡眠しかとれなくなった場合です。 睡眠不足や睡眠の質の低下という、夜間睡眠の障害によって日中眠くなる点では共通しています。 夜間睡眠の量や質に問題かなくても、日中強い眠気に襲われる場合があります。 これを狭義の過眠症といい、脳の覚醒を維持する機能が弱かったり、眠る中枢が働きすぎたりすることが原因と考えられています。 日中の会議中や自動車の運転中など不適切な時間に、耐えがたい強烈な眠気に襲われます。 覚醒を維持する脳の職能が弱い過眠症の代表的な病気がナルコレプシーです。日中に強烈な眠気に襲われ短い居眠りを繰り返す ナルコレプシーは、日中、突然に強い眠気をもよおし、実際に数分から15分くらい居眠りしてしまいます。 いったんはすっきり目覚めますが、1〜2時間ほどだつと再び強い眠気に襲われてまた居眠りしてしまいます。1日に数回ほど短い居眠りを繰り返します。 ナルコレプシーでは、夜の睡眠が分断される場合もあり、単なる睡眠不足で眠りが浅いと勘違いしていることも少なくありません。

また、寝入ったときにいきなりレム睡眠の状態になりやすいので、寝入りばなの金縛り体験や恐性感を伴う悪夢(入眠時幻覚)も多くみられます。 半分寝ぼけた状態で無意識のうちに行動をする自動症などの症状を伴うこともあります。 短時間の居眠りを繰り返す以外にも、感情が急に高揚したときに、体の力が突然抜けてしまう特異な症状があり、情動脱力発作とよばれます。ナルコレプシーの治療は生活改善と薬物療法 夜間の睡眠時間をきちんととるなど、規則正しい生活を送ることか何よりも重要です。 薬物療法だけで日中の眠気を完全に抑えようとすると薬の量が増えがちなので、具体みなどに計画的に仮眠をとる生活習慣の工夫が望ましいといえます。 薬物療法では、覚醒機能を高める作用をもつモダフィニルやメチルフェニデートなどを使います。 モダフィニルは、覚醒職能を高める作用時間が長く、副作用は少ない薬です。 一方、メチルフェニデートは作用が強く速効性がありますが、副作用として動悸などが出やすいとされています。以前、乱用が社会問題となった経緯があるため、厳しい流通規制がとられています。

《コラム》
睡眠中に寝ぼけ行動を起こす睡眠時随伴症

睡眠時随伴症は、ノンレム睡眠時に起こるものと、レム睡眠時に起こるものに分けられます。ノンレム睡眠時に起こるものとしては、睡眠時遊行症(夢遊病)、睡眠時驚愕症(夜警症)などがあります。具体的には、寝ているときに突然歩き回る、布団に座り込む、廊下で放尿してしまうなどがあります。小死期に多くみられ、起こそうとしても目を覚まさせることは難しいです。 レム睡眠中に起こるものとしては、レム睡眠行動障害があり、睡眠中に悪夢の内容にそった行動がみられ、叫び声を上げたり、けんかの夢などで暴れて自分や隣の人にけがをさせたりする異常行動をとります。 夢遊病は、成人するまでには自然に消滅することが多いです。 一方、レム睡眠行動障害は、高齢者に多くみられます。異常行動を抑える薬や悪夢を減らす薬による治療が行われます。

1人で悩まない!『睡眠障害かも』と思ったら

1カ月以上睡眠の悩みが続いたときには受診を
日本では睡眠の悩みを抱えていても、睡眠薬は怖いという先入観から、市販の睡眠改善薬を服用したり、アルコールの力を借りて寝ようとする人が多く、医療機関を受診する人は少ないのが現状です。
しかし、不眠をはじめとした睡眠障害を適切に治涼しないでいると、症状が進行したり、生活に支障を来してくるので、1カ月以上睡眠についての悩みが続くようなときは、専門医を受診するようにしてください。
問診では日常生活や睡眠の環境などを聞かれる
受診すると、まず問診が行われます。
問診では、
「困っていることは何か」
「具体的な症状はどのようなものか」
「体の痛みなど睡眠以外の症状かあるか」
「就寝時間と起床時間など通常の生活習慣」
「日中の活動状況」
「使用中の薬の有無」
などを間かれます。
こうした問診をすることで、睡眠の状況、睡眠障害のタイプ、薬の影響などを確認します。
また、睡眠は精神状態とも関係があるので、憂うつな気分の有無ややる気の低下、物事を悲観的にとらえがちかなどの心の問題についても間かれます。
問診を受けるにあたって役に立つのか「睡眠日誌」(睡眠表ともいいます)です。

睡眠日誌とは、就寝時刻や起床時刻、眠りの状況、昼寝や居眠りの有無など、毎日の睡眠の状態、日常行
動の変化などを記録していくものです。
睡眠に悩みを抱えるようになったら睡眠日誌をつけることをおすすめします。
そして、受診したときに医師に睡眠日誌を示すことで、より正確な診断や適切な治療を受けることができ
ます。
検査では睡眠中の脳波や眼球運動を調べる
睡眠専門の医療機関では、夜間睡眠の質を調べる、終夜睡眠ポリグラフという検査を行うことができるこ
とが特徴です。
この検査では、脳波や眼球運動、筋電図、心電図、呼吸や四肢の運動状態など、睡眠中のさまざまな生理
現象を同時に調べることができます。

脳波(ポリグラフ検査)
脳波の波形か覚酸度とよく一致するため、眠りの深さの指標として使われます。
そのため検査によって、脳が覚醒しているのか睡眠状態にあるのかを判定できます。

眼球運動と筋電図
寝ている間の眼球の動きを・調べることと、筋緊張が喪失するかどうかによって、レム睡眠の判定を行いま
す。

心電図
レム睡眠時や無呼吸のときに、心停止や不整脈が起こるかを調べます。

呼吸運動
鼻や口から肺への空気の流れを調べることで、睡眠時無呼吸症候群の有無やタイプを調べます。

動脈血酸素飽和度
動脈血中の酸素濃度を調べることで、無呼吸や低呼吸の有無を調べます。

過眠症鑑別診断に欠かせない反復睡眠潜時検査
客観的に眠気の評価をするのは簡単ではありません。
現在よく使われているのは反復睡眠潜時検査というものです。
検査室で脳波測定用の電極を装着したあと、20分間横になり、検査室の電気を消してから睡眠脳波が生じるまでの時間を測定します。
早く寝つくほど眠気か強いという考え方にしたがって、重症度診断を行います。
また、寝ついた場合は、さらに15分観察をしてレム睡眠が寝入りばなに起きやすいかも測定します。
この居眠り試行を1日4〜5回繰り返します。
2回以上寝入りばなにレム睡眠があることかナルコレプシーの特徴的な検査所見とされます。

《コラム》
睡眠時無呼吸症候群や概日リズム睡眠障害が疑われるときには

睡眠時無呼吸症候群のスクリーニング(ふるい分け)をする検査に簡易モニターがあります。
小型の装置をつけて自宅での睡眠中の動脈血酸素飽和度と脈拍数を調べます。
酸素飽和度が低下し、脈拍が一時的に上がると、睡眠時無呼吸症候群か強く疑われます。
そのときは、確定診断をするために終夜睡眠ポリグラフ検査が行われます。
慨日リズム睡眠障害の診断に有効なのが、体の動きを検知する装置を手首につけて、最低1週間継続して測定を行うアクチグラフです。
この装置が記録する結果をみれば、夜中に寝ているのか起きているのかが客観的に判定できます。

1つでも取り入れて快眠ヘー日常生活のポイント

就寝前は心身ともにリラックスする
寝る前の1時間は心身ともにリラックスすることが、快眠の準備として必要です。
脳と体の緊張がほぐれることで、副交感神経が働き眠りの準備を始めます。
リラックスして睡眠モードに入るためには、できるだけ不安や興奮・緊張を少なくすることです。
寝る前に避けたい習慣
激しい音楽や刺激的なテレビ番組、続きが読みたくなる読書などは、寝る前には適していません。
日中、積極的に活動すると体の適度な疲れによって、熟睡しやすくなるといわれています。
ただ、寝る直前に激しい運動をすると、かえって交感神経優位となって、目が覚めてしまいます。
また、なかなか寝つけない人のなかには、アルコールの力を借りて眠ろうとすることがあります。
たしかにアルコールには、少しであれば気分かリラックスして眠りやすくする効果があります。夕食時に少量たしなむのは悪くないでしょう。ただし、眠るために就寝前にアルコールを飲むのは逆効果です。
肝臓でアルコールを分解するには時間がかかり負担になります。
さらに、アルコールは利尿作用が高く、寝ている間にトイレに何回も起き、中途覚醒が増えて全体の睡眠量が減ったり、睡眠の質が低下してしまいます。
入浴が心と体の緊張をほぐし睡眠へと誘う
私達の体温は体内時計にしたがって、1日のなかで約1℃変化します。

通常、明け方、眠りから覚める前に深部体温は最も低くなり、それから徐々に体温が上昇を始めて目覚めの準備をします。 夕方頃、最も高くなり、徐々に下がるというリズムです。 眠気は、深部体温と連動していて、高いときには眠気を感じにくく、下がると自然に眠くなりやすくなります。 日中、活動的にすごし、規則正しい生活を送っていると、深部体温にメリハリがつき、夜には眠りやすくなります。 また、高齢者では深部体温のリズムの幅(振幅)が減ってメリハリがなくなる傾向がありますが、適切な時刻の入浴によってそれを補うことかできます。 入浴すると体がぽかぽかと温まると同時に、深部体温を上げることができます。 そのあとは手足の良行がよくなっているため、血液によって体の深部の熱が効率的に逃がされ、深部体温が急速に下がるというわけです。これでぐっすり眠りやすくなります。 なお、熱い湯に短時間つかったのでは、交感神経が刺激されてかえって目がさえてしまいます。また、短時間だと体の芯は温まりにくいこともあります。 熱い湯が好きな方は、就寝時刻より1〜2時間以上前に入り、深部体温が下がる時間を十分とってから眠るように、時間の調整をしてください。 一般的に体の血行をよくし深部体温を下げやすい入浴法は、就寝前に38〜40℃のぬるめの湯にゆっくりとつかる「半身浴」だといわれています。 半身浴では、夏は38℃くらい、冬は40℃くらいの湯に、へそのところまで入り20〜30分くらいつかります。 体の温まり方には個人差かおりますから、湯から出ている部分に汗をかくのを入浴時間の目安にするといいでしょう。

半身浴にはリラクセーション効果があり、心身ともにリラックスして交感神経から・副交感神経にスムーズにバトンタッチできます。
冬は浴室が寒いので、入浴前にシャワーを出して浴室を温めておくといいでしょう。それでも寒いときには、肩にタオルをかけたり、裾を短く切ったTシャツを着るのもおすすめです。
「手浴」や「足浴」もリラックス効果が期待できる
帰宅が遅くなって入浴している時間がないときには、手浴や足浴でも構いません。
手浴では、ひじから先を湯につけ、足浴では足首から下を湯につけます。
手足を温めることで末梢血管を拡張させ、リラックスするとともに、手足からの放熱を促して、深部体温や脳温を下げる効果が期待できます。

眠りに入りやすい入浴法

眠りに入りやすい入浴法

眠りに誘う寝室とは 眠りに入りやすく、熟睡するためには寝室の環境を整えることも大切です。 まず寝室の照明は、明るいと覚醒を促し眠りにつきにくくなります。 真っ暗でもよいのですが、かえって緊張してしまう人もいるでしょう。 照明の明るさは、30ルクス以下がいいといわれています。 この明るさはホテルの部屋の明るさと考えてください。ホテルの部屋に入室すると、家の室内より暗く感じるのではないでしょうか。 ただ、リラックスして眠りにつきやすい明るさは、人によって違いますから、いろいろ試して睡眠しやすい明るさを知るようにするといいでしょう。 また、シェードランプや間接照明にして、電球や蛍光灯の明かりが直接あたらないようにしたり、暖色系の明かりにするほうが睡眠への影響が少なくなるといわれています。

快適な睡眠環境

快適な睡眠環境

室温や湿度が睡眠環境を決める

室温や湿度は、快眠するためにとても重要な要素です。 通常、室温は、夏は25℃、冬は13℃程度が快適に眠ることかできる温度といわれています。 室温でもう一つ目安になるのが外気温との差です。外気温と室温にあまり差があると、眠りにくくなります。7℃以内の温度差がよいとされています。ですから、夏は25〜28℃、冬は18〜20℃にエアコンの温度を設定するといいでしょう。 個人差はありますが、湿度は50%前後が理想的といわれています。 湿度が高くなる梅雨時などは、高温多湿で不快感が増してなかなか寝つけなくなります。 だからといって、一晩中、エアコンをつけていると、体温のコントロールができなくなり、体調を崩す原因になります。 眠りにつく1時間だけ寝室を冷やしたり、起きる1時間前にエアコンが入るようにタイマー設定するなどの自分なりの工夫をしましょう。

音や外光が眠りを妨げることも
マンションなどの集合住宅では、隣室の生活音が聞こえてくることもあり、それが熟睡の妨げになっているという方もいるかもしれません。
ただ、音を完全に遮断するのは現実的には無理ですから、好みの音楽や雨だれや波など単調な音を小さくかけてほかの音が気にならないようにしたり、耳栓やノイズをキャンセルするヘッドホンをしたりと、工夫を試みてはいかがでしょう。
交替制勤務で寝る時間が遅いのに早朝覚醒してしまう人は、朝日が差し込まないようにカーテンを閉めて寝ること、逆になかなか朝起きられない人は、カーテンを閉め切らないで少し開けて朝日が差し込むようにする、窓際で寝るなどの工夫をすると自然な光が射し込みますから、目覚ましだけで起きるよりも目覚めがよくなります。

寝具は熟睡の重要な要素
眠りやすい敷き布団やマットレスには個人差がありますが、一般的にはやわらかすぎず硬すぎないものがよいといわれています。
やわらかすぎると、体が不自然に沈み込んで腰に大きな負担をかけることになります。
一方、硬すぎる布団は、布団と接する部分の血行やリンパ液の流れが悪くなったり、節々が痛んで熟睡しにくくなります。
背骨のS字の湾曲が保たれるやや硬めの布団がよいとされています。
私達は、血液やリンパ液の流れが滞らないように寝返りを打ちます。ですから、敷き布団はある程度幅のあるもののほうがいいでしょう。
また、寝ている間に意外と汁をかくので、掛け布団は保温性、吸湿性、放湿性の高いものほうがいいといえるでしょう。
寝汗をかいた敷き布団や掛け布団は不潔であると同時に、吸湿性や放湿性などの機能が低下するので、できれば1週間に1回くらいは1時間前後、天日干ししましょう。
屋外に干せないときは、布団乾燥機を利用するといいでしょう。

枕は睡眠時の姿勢を整える

寝ることで、起きているときに首や肩、腰にかかる負担を軽減してくれます。 ところが、寝る姿勢によっては、かえって体に負担をかけて疲れてしまうことがあります。 寝る姿勢に最も影響を与えるのが枕です。 枕は習慣から好みが決まることが多いですが、自分に合わない枕で寝ていると、肩こりゃ頭痛、腕のしびれ、腰痛など、さまざまな症状を引き起こす原因になり、ひいては熟睡できなかったり、途中で目を覚ましてしまうことがあります。 横向きやうつぶせで眠る場合は、抱き枕や肘や膝にあてる枕などを活用して、体重がかかる部位を分散することで、安定したよい眠りが得られる場合かあります。 枕の高さは、身長、体重、肩幅、背中の丸み、頭の形などに合っていることが大切です。 やわらかすぎる枕だと、寝ている間に頭が沈み込んでしまい、スムーズに寝返りが打てなくなるので、枕の高さを維持できる硬さかあることか望ましいとされています。 枕の中身の素材には、そば殼やウレタンなどさまざまですが、低反発ウレタンフォームを使った低反発枕もあります。 低反発ウレタンフォームは、類推(首の骨格)の音曲にぴったりの深さに頭から首にかけて適度に沈み込み、頭部を自然な形で固定できます。首や肩がこりにくいなど、熟睡しやすいといわれています。 ただし、寝返りを頻繁に打ったり、寝ているときに動く人は、頭部を動かしづらいので違和感があるかもしれません。 基本的には、自分が心地よいと思う素材の枕で寝ることです。

良い枕・悪い枕

良い枕・悪い枕

快眠を誘う昼寝の仕方とは

昼食を食べたあとに、強い眠気に襲われる経験は誰にでもあるのではないでしょうか。この眠気は睡眠不足がなくても生じます。 体内時計には約半日周期のリズムやより短い周期のリズムもあって、午後の決まった時間に眠気を感じやすくなっているのです。 また、食後に腸管から分泌されるさまざまな物質(脳と腸に共通するホルモンなど)に、食欲を抑制するとともに眠気を高める作用があります。 さらに血糖値の上昇が一部の覚醒中枢の働きを抑制することも知られており、食後一時的に強い眠気に襲われるのです。 そうしたときは、10〜15分昼寝をすると脳がリフレッシュします。これをパワーナップと呼んだりします。 さらに、昼寝の什方を工夫すると不眠改善の効用もあることかわかってきています。 ただし、このときに、布団などにあお向けになって熟睡すると、深い眠りに入ってしまいがちで、目覚めたあとぼんやりするため、昼寝の姿勢には工夫が必要です。

熟睡を妨げる嗜好品とは
アルコールの睡眠増進効果は耐性が強く、アルコールを人脈儀式として習慣化してしまうと、飲まなくては眠れないという悪い習慣がついたり、飲む量が増えて熟睡を邪魔することになります。
コーヒーや紅茶、緑茶に含まれるカフェインやタバコに含まれるニコチンも摂取時間を考える必要があります。
これらは、脳の覚醒を促す作用かおり、カフェインは半減期が6時間以上の人もいるため、夕方以降は飲まないようにしましょう。

朝は光を浴びて体内時計をリセットする

前にも述べましたが、朝起きたら、まずカーテンを開けて明るい光を浴びて体内時計の針を前に進め、気持ちよく目覚めましょう。 起床時に太陽の光を浴びると、睡眠を促すメラトニンというホルモンの分泌が抑制され、すっきりと目覚めることができます。 朝、熱めのシャワーを浴びるのも、脳や体を目覚めさせるのに有効です。 熱いシャワーの刺激が自律神経を刺激し、睡眠中に優位に立っていた副交感神経から、行動モードの交感神経への切り替えがスムーズになります。 ただし、高血圧の人は、朝起きると血圧が急激に上昇することもあるので、熱いシャワーがかえって体に負担をかけることもあります。 はじめはぬるめの湯温に設定して、体が慣れてきたら徐々に温度を上げていくようにしましょう。

《コラム》
リラックスした状態とは
熟睡するポイントは心身ともにリラックスすることですが、自分がリラックスしているのかどうかは、自分ではなかなかわかりにくいものです。
睡眠障害を改善するために、医療機関では患者さんにリラックスした状態を自覚するための訓練法を指導することがあります。その訓練法には次のようなものがあります。

筋弛緩法
全身の筋肉の力を抜いてリラックスします。
腹式呼吸をしなから、腕や脚などの力を入れやすい部位で「力を入れる」「筋肉を緩める」を繰り返して、筋肉の緊張が解けたときの感覚を体感して、リラックスした状態を体で覚えます。

自律訓練法
自分白身に暗示をかけてリラックスした状態にするセルフコントロール法です。
軽く目を閉じて「気持ちが落ち着いてくる」「右腕が重たい、左腕が重たい、両腕が重たい」「右脚が温かい、左脚が温かい、両脚が温かい」などと繰り返し意識することで、リラックス状態をもたらすことができます。

正しく使えば怖くない!睡眠薬との上手なつきあい方

不眠症の治療では睡眠薬が使われることがある
不眠症の治療で生活改善をしたり、睡眠環境を整えたり、睡眠についての考え方を改善しても症状が改善しないときに、睡眠薬を使います。
ただ、日本で不眠症の治療での睡眠薬の使用率は決して高くありません。
その背景には、昔の睡眠薬に呼吸抑制作用や耐性があって危険であったことから、
「睡眠薬には強い副作用かおる」
「睡眠薬に対する耐性ができて効かなくなる」
「認知症になる」
などの誤解や思い込みかおるためです。

正しく使えば不眠から解放される
現在処方されている睡眠薬は、間違って多く飲んでしまっても、薬の作用で死に至ることはありませんし、慣れや依存性か生じる可能性も非常に少なくなっています。
睡眠薬は、怖い薬ではありません。
薬のことを正しく理解して、医師の指示に従って服用することで、不眠症や不眠症に伴う不眠恐怖症というべきさまざまな症状から解放されます。
怖いのは、睡眠薬それ自体ではなく、根拠のない誤解や思い込みによって、睡眠薬を服用しないで不眠症を悪化させてしまうことです。

現在使われている2つの睡眠薬

薬物療法の対象になる不眠症は、週に3回以上の不眠が4週間以上続き、昼間の眠気や倦怠感などのQOL(生活の質)が低下している場合です。
現在使われている主な睡眠薬は、ベンゾジアゼピン受容体作動薬とメラトニン受容体作動薬です。

広く使われているベンゾジアゼピン受容体作動薬
この薬には、ベンゾジアゼピン系睡眠薬と非ベンゾジアゼピン系睡眠薬があります。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬には催眠作用のほかに、不安を鎮静化する抗不安作用、筋肉の緊張をほぐす筋弛緩作用があります。
一方、非ベンゾジアゼビン系睡眠薬は、抗不安作用や筋弛緩作用が少ないので、特に高齢者の服用に際して転倒などの副作用か少ないとされています。

作用時間による分類
ベンゾジアゼピン受容体作動薬は、血液中の濃度が最高値から半分の濃度に低下するまでの半減期(時間の長さ)によって4つのタイプかあります。
①超短時間作用型
主に入眠障害に使われます。
②短時間作用型
主に入眠障害や中途覚醒、熟眠障害に使われます。
③中間作用型
主に早朝覚醒や熟眠障害に使われます。
④長時間作用型
主に早朝覚醒や熟眠障害に使われます。抗不安作用が強いので昼間の不安改善にも効果があります。

副作用はあるが適切に服用すれば心配はない

半減期の長いタイプは、薬の効果が翌日まで続き日中の眠気やふらつきなどか現れる「持ち越し効果」、「筋弛緩作用」が現れることかあります。 体質にもよりますが、不安緊張が高い間は、眠気がまったく生じなくても、症状が落ち着いてくると日中の眠気か生じることかあるので、状態に応じた服用量や内容を調整してもらう必要があります。 一方、半減期の短いタイプは、服薬後に布団に入らないで活動していると、自分の行動を覚えていない前向性健忘になることがあります。 それなりに覚醒しているので、内容はしっかりしているのですが、自分のメールや、電話での応対をすっかり忘れて驚くことがあります。 服薬したら起きだして活勤しないことが大切です。 自己判断で服用を中止すると、以前より強い不眠が起きる「反跳性不眠」や、不安やイライラ感、手足の震え、発汗などが現れる「退薬症候」、かえって興奮状態になることがある「奇異反応」を起こすこともありえます。 薬の中止の仕方には工夫が必要なので、医師の指導を受けなから行うようにしてください。

脳と体を睡眠状態に導くメラトニン受容体作動薬
2010年から使われるようになったメラトニン受容体作動薬は、自然な睡眠の状態をつくりながら、睡眠と覚醒のリズムを整える効果があります。
ベンゾジアゼピン受容体作動薬のもつ筋弛緩作用などの副作用がないため、高齢者、認知症の人にも使われます。
不安を伴う不眠症によって体内時計が遅れて寝つきが悪くなるような人に、より有効と考えられています。

なお、服用するタイミングが重要で、遅い時間に使うとかえって体内時計を遅らせる危険かおるため、服
用時刻を固定して、1〜2時間後に眠気が訪れたら眠るようにすることがうまく利用するコツです。

こんな薬が使われることも
・抗うつ薬
中途覚醒や熟眠障害で、悪夢が多い場合や起床時の気分の落ち込みなどのうつ的な傾向がある場合などには、鎮静作用をもつ抗うつ薬が有効な場合があります。

・抗不安薬
ベンゾジアゼピン誘導体であることから、睡眠導入薬と同様の作用があります。
持続的に緊張不安が強い場合には、睡眠薬の代わりに抗不安薬を夕方に服用してリラックスした状態をつくり、本人に緊張が緩んだ状態を自覚してもらいながら、できれば自分でそのオフの状態をつくる練習をしてもらいます。

・抗精神病薬
神経過敏の状態にある場合などは、一般の睡眠薬の効果が乏しい場合があります。
そうしたケースには、ごく少量の抗精神病薬を用いることで、脳の過活動を鎮めて深く休ませ睡眠を維持する作用があります。

・漢方薬
睡眠薬の副作用が現れやすい人、認知症の人などには、認知症治療に使われる抑肝散を使うことがあり、興奮やイライラ感などを鎮める作用があります。

医師の指示に従って服用することで効果が現れる 処方された服用量を守り、自己判断で服用を中止してはいけません。 また、睡眠薬を服用しても眠れないときや効果が弱い場合でも、飲む量を増やさないようにしましょう。 不眠症が少し改善したからといって、自己判断で中止すると、すでに述べたように以前より不眠が悪化したり、不安感や焦燥感が現れたりすることがあります。 ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、一般に服用後20〜30分で効き始めますので、30分以内に布団に入るようにしましょう。 また、睡眠薬をアルコールと一緒に服用すると、両者の作用が重なって前向性健忘などの思わぬ副作用や、転倒事故を起こすことがあるので、絶対に一緒に飲んではいけません。 メラトニン受容体作動薬は前にお話ししたように、服用時刻を一定にすること、服用後1〜2時間に訪れる眠気をつかまえることがポイントです。 薬物治療によって不眠症が改善してきたら、徐々に1日の薬の量を減らしたり、隔日服用に変更したりします。 そのタイミングやペースは、必ず医師に相談してよい方法をさがして行うことが大切です。

《コラム》
市販の睡眠改善薬を服用する場合、こんなことに注意して

市販の睡眠改善薬は、風邪薬や抗アレルギー薬に含まれる抗ヒスタミン薬の副作用(眠気)を逆に利用して誕生しました。「市販の薬なら医者が処方する睡眠薬より効き口が弱くて安全だろう」と考えて、気軽に使う人が多いようです。 しかし、睡眠改善薬の主成分である「ジフェンヒドラミン」は、耐性や依存性が生じる特微があり、一過性の不眠だけか適応となっています。 ですから、毎日服用し続けたり、服用しても眠れないからといって量を増やしたりするのは問題です。 市販の睡眠改善薬は、慢性の不眠には不向きな薬ですから、長く続く不眠の場合は専門医の診察を受けて、日常生活の改善の指導と、適切な睡眠薬の処方を受けるようにしましょう。 また、睡眠改善薬は、睡眠薬と同じようにアルコールと一緒に服用すると、血中濃度が上がって意識障害を起こすことかあるので、くれぐれもアルコールと一緒に飲まないでください。

もっと知りたい!睡眠のメカニズム

人間は睡眠をとらないとどうなってしまう?
人間は睡眠をとらない状態が数日続くと、脳に障害が起きて幻覚を見たり、妄想が現れたり、身体的な障害が出てきます。
つまり、睡眠は、食欲と同様に生命を維持するのに欠くことのできない生命活動の1つなのです。
睡眠のメカニズムとは、どのようなものなのでしょうか。

2つのメカニズム(法則)によって起きる眠気
1日のある時刻における眠気は、「起き続けることで脳が疲労すると眠くなる」メカニズムと、「体内時計によって眠くなる」メカニズムの2つによって決められます。
睡眠というと、疲れた体を休めて疲労をとるためのものと考えられがちです。
しかし、睡眠は、日中覚醒して活動することに伴って生じる脳に対するストレスを解消すること、脳がオーバーヒートしないようにする役割も担っています。

睡眠の恒常性維持に働く睡眠物質
こうした脳や体の働きを一定に保とうとするメカニズムを恒常性維持(ホメオスタシス)と呼びます。
睡眠には、脳を覚醒が生じる前と同じ状態に戻そうとする役割があると考えられています。
睡眠の恒常性維持の目印となると考えられているのが睡眠物質です。
睡眠物質にはさまざまなものがありますが、神経活動に伴って消費されるATPという子芋ルギー分子の分解産物であるアデノシンや、細胞に対する酸化ストレスに対して増加する酸化型グルタチオンなどがあります。

メラトニン
これまでに睡眠にかかわるホルモンとして紹介してきたメラトニンは、脳の松果体という部位から分泌されます。
通常、起床時に朝日を浴びてから14〜16時間後になると分泌が始まり、分泌開始後1,5〜2時間後に自然な眠気が生じます。
日中、太陽の光を浴びることでメラトニンの分泌がしっかり抑制されることで、メリハリがあるメラトニンの分泌が生じます。
また、夜にコンビニエンスストアのように明るい所にいるとメラトニンの分泌か抑制されてしまい、体内時計が後ろにずれて眠気が起きにくくなります。

1日の生活のリズムを調整する体内時計
これまでに何度かお話ししてきた体内時計は、1日の活動と休息のリズム(概日リズム)を調節する機能によって眠気を引き起こします。
体内時計は、心臓や肺、肝臓、筋肉など体のいろいろな臓器や組織に存在しますが、その中枢は、脳の視交叉上核という部位にあります。
体内時計は、起床してから日中にかけては、体温や血圧、脈拍を上けて脳や体の活動性を高めます。
夕方から夜になると、上昇した体温や血圧、脈拍を徐々に下げていくことで、脳や体が休息するのに適した状態に導きます。

体内時計の周期を調整する光
体内時計の周期は、1日24時間より少し長い周期で概日リズムを刻むことはすでに述べましたが、このずれを調整するのが同調因子と呼ばれるさまざまな刺激です。
同調因子には、食事、仕事、運動などの活動がありますが、最も大きな役割を果たしているのは明るい光です。
朝、明るい光を浴びると、体内時計がリセットされて針が前に進み、メラトニン分泌がとまって、体が活動に適した状態に切り替わります。
ですから、朝起きて太陽の光を浴びることが大切なのです。
なお、夕方から夜にかけて強い光を浴びると、体内時計のリズムが遅れて頭目リズム睡眠障害に伴う不眠などの睡眠障害を引き起こしやすくなります。

自律神経の乱れが睡眠を障害する
自律神経も睡眠と深くかかわっています。
自律神経とは、呼吸や血圧、血液循環、心臓の拍動、消化などのさまざまな職能をコントロールして生命を維持する重要な役割を果たしています。
自分の意志でコントロールすることができません。

交感神経と副交感神経のスムーズな切り替えが睡眠に役立つ
自律神経には、交感神経系と副交感神経系があり、協調しつつ役割を分担しています。
交感神経は、主に日中、血目や脈拍を上げ、筋肉を緊張させて頭や休か活発に活勤しやすい状態にします。
一方、副交感神経は、血圧や脈拍を下げ、筋肉を弛緩させてリラックスした状態にして、消化吸収や休養回復をもたらします。

時刻や状況に合わせて、どちらかの神経系が優位に働いています。
不規則な生活をしていたり、過度なストレスかかかって自律神経の働きが乱れると、交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズにできなくなり、めまいや食欲不振、倦怠感、イライラ感などの心身の不調の原因になります。
夜、交感神経から副交感神経へのバトンタッチがうまくいかなくなると、不眠症などの睡眠障害を引き起こすことになります。

体を休めるレム睡眠と脳を休めるノンレム睡眠
体内時計や睡眠物質、自律神経の作用によって睡眠は成り立っていますが、その睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠という2つの違った状態を繰り返しています。

・レム睡眠
目の動きと呼吸にかかわる筋肉以外の随意筋(自分の意志で動かすことができる筋肉)の緊張を消失させて体を体める睡眠です。
レム睡眠時には、眼球がまぶたの下ですばやく左右に動く運動が時々生じます。
また、脳は働いている状態で、日中に脳にインプットされた情報を処理しているといわれます。
さらに、鮮やかな夢を見るのはレム睡眠のときです。

・ノンレム睡眠
脳を積極的に休ませて疲労の回復をはかる睡眠です。
ノンレム睡眠の中に徐波睡眠とよばれる深睡眠と、浅い睡眠(軽睡眠)があります。
起きているときよりも筋肉は弛緩していますが、レム睡眠のときのように完全に筋緊張が消失することはありません。

脳の休息の度合いによって3つの睡眠段階(うとうとすやすやぐつすり)に分けて判定されます。

レム睡眠とノンレム睡眠

レム睡眠とノンレム睡眠

レム睡眠とノンレム睡眠は交互に繰り返す 眠りに入ると、軽睡眠のノンレム睡眠が始まり、しだいに深いノンレム睡眠に移行します。1〜2時間程度だつとレム睡眠に移行します。 1回のノンレム睡眠とレム睡眠の組み合わせを睡眠周期といいますが、一般には一晩に睡眠周期が4〜5回現れて朝を迎えます。 起きる時間が近づくにつれてレム睡眠が多くなります。起きる直前に夢を見ていることが多いのは、レム睡眠の状態から覚醒するためです。

《コラム》
金縛りはレム睡眠時に起きる睡眠の誤動作

寝入りばな、意識がはっきりしているにもかかわらず体の自由がきかなくなる現象を「金縛り」と言います。 日本人の4割が経験するとされる頻度の高いもので、医学的には「睡眠麻痺」と呼び、覚醒と睡眠の移行期にレム睡眠が生じると起きます。 ありありとした実在態と恐怖態のある幻覚症状(何かが見える、体を押されるなど)を伴う場合も多く、これを医学的には人眠時幻覚と呼びます。 金縛りは1分から数分続いて、自然に消滅します。 ただし、金縛りが起きて動転すると、かえって金縛りが長くなることかあります。 目を上下に動かすと、短い時間で動けるようになることがあります。また、あお向けではなく横向きで寝ると金縛りの率が減ることがわかっています。 10〜20歳代の若いときに起こりやすく、加齢とともに起こりにくくなっていきます。 また、不規則な生活や夜勤あけで朝方に寝ると起きやすくなります。 金縛りは科学的に説明できる現象の一つで、悪霊にとりつかれたわけではありませんから心配する必要はありません。 ただし、頻繁に起きるようであれば、日中の強い眠気や居眠り、睡眠発作を起こすナルコレプシーなどの睡眠障害か背景にあることもあります。

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